「頭が悪い」はだれもが知っている言葉です。
子供の頃から耳に入りはじめ、小学校からのテストや比較によって、だんだん気になってくる言葉です。そして、「頭が悪い」という評価が固まってしまう不運な人もいます。
そういう人は”もやもや”を一生抱えることになりかねません。
それは「頭が悪い」の定義がとても曖昧だからです。
感覚的にはわかるのですが、どういう要素や条件で「頭が悪い」のかはっきりしません。
それでは、悩んでいる人がどうすればいいかわかりません。曖昧なままでは、改善の糸口が見えないからです。
この記事では、「頭が悪い」の特徴をおさえていきます。
そして、頭が悪い”状態”を改善するヒントをみつけていきます。
目次
「頭が悪い」とは何か
「頭が悪い」と思われる最大の原因は?
頭が悪い最大の原因は「言葉にできない」ことです。
「言葉にできない」
「うまく(言葉で)伝えられない」
という悩みをもつ人は多いのではないでしょうか。
ここでいう「言葉にできる」とは、相手を納得させられることが言えること、を指します。
「言葉にできない人」は、往々にして相手から「考えていないな」と思われたり、場を気まずくさせたりしてしまいがちです。
『「言葉にできる人」の話し方』(齋藤孝)
頭の悪い人は、言葉の力が弱いのです。人間は言葉を使って考えます。その言葉が出てこなければ、そもそもうまく考えることができないでしょう。
「言葉にできない」=「考えていない」=「頭が悪い」と判断されます。
適切なタイミングで、適切な発言をする。それがうまい人が「頭がいい」となり、それがあまりにできない人は「頭が悪い」と評価されてしまうのです。
現代ではとくに会話が重視されているので、その傾向が強いはずです。
頭が悪いときの脳の”状態”
そして、言葉にできないとき、つまり頭が悪い”状態”のとき、人はどうなるのか?
「考えすぎる」か「考えなさすぎる」のどちらかになります。
「考えすぎる」は、適切に”考えられない”状態です。考えが多すぎてもよくないのです。バランスよく頭が働かないのは、頭が悪いといえます。
このとき、左脳か右脳のどちらかに偏っている状態です(下図)。
右脳が過剰に活性化している人は「考えない」で行動します。逆に、左脳が過剰な場合は「考えすぎ」て行動できません。
考えないのは「脳を使っていない」ように見えますが、非言語的に右脳で判断しています。特徴としては、集中力がなかったり、同じミスの繰り返しです。行動がずれてしまっているのです。
考えすぎると独りよがりになり、屁理屈をこねたり、と言葉にでます。考えすぎて、思考がずれてしまうのが左脳的です。
以下では、”右脳的”と”左脳的”な状態にわけて、特徴を分類してみました。
この記事では、説明のため「右脳」「左脳」と分けています。分子レベルで脳機能の違いは明らかになりつつありますが、現時点では「右脳が直感的思考」、「左脳が論理思考」を担当することは厳密に証明されていません。
”右脳的”な頭の悪さ 10の特徴

集中力がない
右脳的な頭の悪さの特徴は「考えていない」ことですが、これは集中力がない状態です。
集中力がないので、同じ行動を続けるのが難しくなります。勉強はとくに苦手で、眠くなったり、マンガを読み出したりします。
集中力がないため、仕事が遅いです。「なぜこんなに時間がかかるのか」と思われています。また余計なことをしていなくても、他のことを考えて手が止まります。
また、継続力もありません。思いつきで習い事をはじめたりしますが、継続することはほとんどありません。
話を聞かない
「話を聞く」のも集中力が必要です。
話を聞くのは、相手の話の要点をおさえつつ、自分の意見もまとめる同時並行的な作業でもあります。できる人はできますが、できない人にとってはかなり”脳”力が必要です。
また、相手の話を聞いていると、自分も意見を言いたくなります。頭のいい人は、相手の話が終わるまでグッと我慢しています。しかし、頭のわるい人は我慢ができません。
頭に浮かんだことを話す
我慢ができないので、頭に浮かんだことを話します。
頭のいい人は会話の流れを考えて話しますが、頭の悪い人は自分の言いたいことだけです。話題もコロコロ変わっていきます。
相手の状況を考えないので、自分の話ばかりになりがちです。また、会話のキャッチボールが成立せず、1人だけ話し続けることもよくあります。
話がまとまってない
思いつきで話すので、話はまとまっていません。
頭のいい人は話がわかりやすいですが、頭の悪い人は話がわかりにくいです。
それは、会話の文脈や相手の理解度にあわせていないからです。
また、予め話す内容をまとめていないので、話に無駄が多くなります。
思いつきで行動する
落ち着いて考えられないので、思いついたら行動します。
行動が早いのはよいのですが、必要最低限の考える作業がぬけています。そのため、その行動が上手くいくことは少ないです。
仕事でも思いつきで進めるので、すぐに行き詰まってしまいます。要領がわるい人でもあります。
同じミスを繰り返す
思いつきで仕事をするので、ミスが多いです。
原因を落ち着いて考えないため、次回も同じようなミスが続くのです。ミスをした時は落ち込んだりしますが、分析をするようなことはありません。
ミスの原因はちょっとした不注意だったり、思いこみだったりして小さいことだったりします。しかし、頭の悪い人はそのような細かいことに注意がいきません。
決められない
ミスが続くと自信が無くなっていきます。
原因が理解できないため、自分を責めることがあります。内向的な人や女性はとくにそうです。
そのため簡単なことを決めるときでも、優柔不断になりがちです。ミスが蓄積しているため、無意識に思い出して決断が怖くなるのでしょう。
すぐに聞く
自分で決められないため、すぐに人に聞きます。
少し調べるだけでわかることでも、習慣的に他の人に聞いてしまいます。「分からない状態」を我慢できないので、落ち着いて調べることが苦手です。
また、理解力もないので文章の意味も把握できないことがあります。簡単な用語の意味がわかなかったりします。
さらに、直前に説明されたことも正確に理解しているかも怪しいです。
忘れる
頭の悪い人は記憶力がよくありません。
一度言ったくらいでは覚えません。
物事の理解力が低いため、記憶に残りにくいのでしょう。仕事上のミスも原因を理解しないため、記憶されずミスを繰り返します。
約束事や期日も忘れることが多いです。仕事では覚えているタイプもいますが、プライベートではできなかったりします。
メモをとる習慣がないのも、忘れやすい原因のひとつです。
感情的になる
頭の悪い人は感情的になりがちです。
現実の認識力が低いため、期待が外れて感情的になってしまいます。
そのときに、性格によっては他人を責めるタイプもいます。
また、難しいことや同時に複数のことを言われると、パニックになることもあります。
左脳的な頭の悪さ 10の特徴

左脳的な人は論理的なので「頭がいい」印象になりがちです。
ただ、コミュニケーションが苦手なタイプが多く、対人関係の場面では意外と「頭が悪い」のです。
右脳的な頭の悪さほど目立たないですが、左脳的な頭の悪さも状況によっては誰にも当てはまるはずです。
頭が上手く回らない時に、人間はどちらかの脳の働きに傾いてしまうのです。
ここでは、左脳に傾いてしまった場合の特徴をおさえていきます!
自分のことしか考えない
左脳的な頭の悪さの特徴は「思考にとらわれてしまう」ことです。
そうすると、思考の範囲が狭くなり、自分のことしか考えなくなります。「自分にとって」何が問題か、「自分が」どうすればいいのか、で頭がいっぱいになります。
自分の都合をまず第一に考えるので、問題が起こった時に自己中心的な印象を与えてしまいます。
これらは全て「思考でどうにかする」クセからきています。
空気を読めない
思考に頼りがちなので、空気を読むのが苦手です。
空気は言葉にされないので理解が難しいのでしょう。
空気が読めないので、何を言っていいかわからず無口であることが多いです。
また、集団から外れてひとりぼっちになることもしばしばです。
自分の話ばかりする
会話のバランスがおかしく、自分の話が長々と続きます。
相手の話すスキがありません。
他人に関心がうすいので、そもそも共通の話題が少ないのです。話を合わせようとしても、会話が盛り上がりません。
また、興味関心の幅が狭くオタク気質です。そのため、話題が”自分の関心事”に限定されがちです。
会話についてこれない
空気も読めず自分の話ばかりなので、会話についていけません。
日常会話は意外とテンポがはやく、論理的でもないため、思考ではついていけません。
会話はじつは直感的な判断がかなり必要です。そのため、突然に話しかけられたり、話題をふられても頭の悪い人は対応できないのです。
また関心事も狭いため、そもそも話題についていけません。
常識を知らない
視野が狭いので、常識を知らないことが多いです。
ふつうの人は子供の頃から周りの空気や状況を読むのが習慣になっています。そうやって常識を学んでいます。
しかし、左脳的な人はそうではありません。
周りの状況に関心がうすいので、常識を知る機会が減ってしまいます。
興味あることは深く知っていますが、常識は広くて浅いので苦手です。
感情を読めない
左脳的な人は感情を読むのが下手です。
論理的なので「頭がいい」と思われがちですが、日常場面で感情が読めないのは「頭が悪い」と言えます。
共感能力がないので、説明が頭ごなしになります。上から目線になりがちです。
人によっては対面は普通でも、メールの文面がきついこともあります。
また自分の感情も読めないのか、喜怒哀楽がとぼしく無表情です。
相手の状況を想像できない
感情が読めないので、相手の状況を想像することも苦手です。
想像力がとぼしいので、相手の行動を誤解して感情的になることがあります。
相手に合わせて柔軟に対応することが苦手です。杓子定規な対応で、他人からはかたいイメージをもたれます。
細かいこだわりがある
左脳的な人はこだわりが強いです。
独自のルールがあります。それが人によって「時間」や「睡眠」だったり、「仕事の手順」の場合もあり、千差万別です。
1人の場合は良いのですが、他人と協力する場面でもこだわります。普通の人なら、適当に合わせることもできますが、このタイプはできません。
また、その”こだわり”が他人には理解しがたいことも多く、摩擦を生む原因になります。
臨機応変にできない
もちろん臨機応変ではありません。
”こだわり”までいかなくとも、何事もパターン化されています。そのパターンから外れると、とたんに弱くなってしまいます。
予想外のことが起きると、不安になります。つねに先が読める状態を求めているので、動揺する傾向があります。
他人の言動も先が読めないので、距離をおきがちです。対人関係は不器用です。
手を動かすのが遅い
仕事では手を動かすまでが遅いです。
頭で理解しないと行動ができないタイプです。仕事のゴールや手順を完璧に理解してからでないとスタートできません。
不得意な分野では先が見通せないので、とくに遅くなります。
未経験のことでも、同様に手が動きません。
頭をよくする実践的な方法

教えてくれる人を探す
自分で勉強や訓練をして頭を鍛えるのは、非常に時間がかかります。
だれかに教えてもらうと、フィードバックがはやく、効率的です。
上達の法則によると、上級者を観察することが第一歩です。実際に対面すると、思考や取り組み方がまったく違うことが”実感”できます。
頭のいい人の思考スピードや生活パターンを知ると、無意識レベルで真似するようになります。
とくに話してみると、思考や言葉が吸収できて、自分のレベルが勝手にあがります。
まわりの人がすべて「頭のいい人」なら、自分の頭の良さもあがるものです。環境の力によって頭をよくするのが効率的です。
ぜひ頭のいい人と仲良くなって、いろいろ話をしてみましょう。
趣味をつくる
得意なことは能力を高めます。
趣味なら自然と努力するし、知識も増えます。その過程で頭が鍛えられ、頭がよくなっていきます。
趣味ならずっとやれるので、集中力も高くなります。その集中力を仕事や勉強にも”応用”できれば、頭のトレーニングとして最適です。
できればSNSなどを利用して、同じ趣味の人と交流しましょう。話すことで説明もうまくなり、他の人に教える経験も増えます。
また、すでに趣味を持っている人なら、それを深掘りするか、もっと他の趣味を増やすのもいいでしょう。
メモをとる
『文脈力こそ知性である』(齋藤孝)では、メモをとることを推奨しています。
メモではキーワードを拾っていきます。
そのキーワードをつなぎ合わせることで、話の流れ(文脈)をつかんでいきます。
頭のいい人はまず会話の大きな流れを把握します。流れをつかんでいれば、細部がわからなくても話ができます。
逆に、頭の悪い人は細かいところでひっかかって、要点をはずしています。
メモが頭を良くする基本練習として大事です。
おわりに
「頭の悪さ」についてまとめてみました。
「頭が悪い」と思える特徴はまだまだあります。具体的なシチュエーションによっても、特徴は変わってくるはずです。
この記事では、「考えすぎ」(左脳)か「考えなさすぎ」(右脳)で区別しました。
他にも「仕事」や「コミュニケーション」でも区別できるかもしれません。
たぶん大事なのは、自分なりのイメージを持つことです。
そのイメージがあれば、自分が「頭の悪い」行動をしていないか気づくことができます。気づければ、改善することができます。
頭をよくするには時間がかかりますが、少しづつ良くしていきましょう!
う〜む、読みましたが・・・。
これだと「左脳的な頭の悪さの特徴」の部分は殆どが個性の範疇ですね。
期待していた内容とは違いました。
脳の構造は、生まれつきのものですか?
関係あるのだとしたら、私は右脳、左脳使えて
ない状態です。
頭が悪いと、頭が使えないので、仕事ができません。
解決する方法ありますか?
はじめまして。
園田です。
そうですね…
「仕事ができない」原因はいろいろあって、悩むところだと思います。
ひとまず、自分は仕事=スポーツと考えています。
なぜなら、スポーツであれば「上手い下手の問題」になるからです。
これなら、上達すればいいだけなので、「生まれつき」や「頭が悪い」ことは考えなくて済みます。
(考えてもどうにもならない問題は考えないほうがいいかと)
それで、仕事が上達するにはどうすればいいのか?となりますが、
解決策:仕事ノートをつくる(気づいたことをメモする)
です。
プロスポーツ選手は「練習ノート」をつけているらしいですが、仕事でも同じだと思います。
サラリーマンでも優秀な人はやっているはずです。
ちなみに、研究職でもノートは一般的です。
メモの項目としては、
・自分が失敗したこと
・複雑だと感じた仕事の手順(左脳的な頭のつかいどころ)
・仕事上のコミュニケーションでの注意事項(右脳的な頭のつかいどころ)
・仕事のコツ
などです。
ノートを1冊埋まるまで続けたら、かなり細かいことまで気づくようになるはずですよ。
(もし、すでにやっていたら、もっと丁寧にやってみるとよいです。)