「この人は頭がいい」と思う瞬間があります。
でも、その人の何をみて「頭がいい」と思うのでしょうか?
本記事では、「頭のよさとは何か」について7つの特徴とおすすめの本を紹介します。
明治大学の齋藤孝教授によると、頭のよさは生まれついた性質ではなく、「状態」なんだそうです。「頭がいい人」ではなく、「頭の“状態“がいい人」が正確な理解です。
例えば、インタビューでたどたどしいプロ野球選手がいたとします。しかし、ボールを持たせた途端、饒舌になることがあります。このように、得意分野や状況によって、「頭の状態」が良くなったり悪くなったりするのです。
「頭がいい」を理解できたら、自分でもその“状態“になれるかもしれません。
ぜひご一読下さい!
目次
「頭がいい」とは何か?

身近にいる「頭がいい人」の特徴を思い浮かべてみます。
- 話が分かりやすい
- 知識が豊富
- 問題を的確にとらえる
- アイデアマン
- 仕事がはやい
いろいろな特徴があげられると思います。
では、これらに共通することは何でしょうか?
言語化能力が優れていることだと思います。
言語化が優れているので「話はわかりやすく」、「問題を的確にとらえ」、「仕事がはやい」のでしょう。また当然、「知識が豊富」だし、「アイデアマン」でもあります。
そして、言語化能力は豊富な語彙(ネットワーク化された知識)に支えられています。
雑学のようにバラバラな状態ではなく、網目状になっています(下図)。

ネットワークになっているので、状況に合わせて「適切な形」でとりだせます。また、新しい組み合わせでアイデアをだしたり、的確なコメントができます。
このような”頭の働かせかた”によって、人は「頭がいい」と感じるのだと思います。
頭がいい人の7つの特徴
①言うことが分かりやすい
頭がいい人は説明がわかりやすいです。
一言でかいつまんで説明してくれます。また、相手に合わせて、理解しやすいように話をしてくれます。イメージがつかめるように、例え話も上手です。
決して、相手が分からない難しい用語や言い回しをつかいません。そのような”自己顕示欲”が出てしまう言動はなく、「相手に伝えること」を第一に考えています。
そして、直前にした話や関係する話題とつなげてくれます。今までの話が“ネットワーク化“されているので、どんどんつながって、聞いているだけで楽しくなります!
わかりやすい説明は「かいつまんで言える」能力です。『「言葉にできる人」の話し方』(齋藤孝)では、”かいつまむ”長さを15秒と定義しています。これはテレビのコメンテーターに求められる長さでもあり、短い説明の基本となるでしょう。
②知識が豊富

頭がいい人は知識が豊富です。
聞いたらほとんどのことは答えてくれます。みんなが知っていることは必ず把握しているでしょう。また、ある特定の分野については驚くほど深い知識も持っていたりします。
ただ、オタクや専門家のように狭い範囲や偏った知識ではありません。また、雑学のように断片的な知識でもありません。つながった知識です。
これは、仕事や遊び、人間関係など「実体験をともなった知識」ともいえます。勉強だけでは得られない経験知です。
そして、”現実”を通しているので、すぐに使える形になっています!
現実で使える知識は、豊富な語彙で成立するといえます。ネットワーク化され繋がった言葉によって知識がまとまって、「現実に有効な形」になっていきます。また、たくさんの分野の語彙を持つことで、1つの事実を多角的にみることも可能です。
③本質をとらえる

頭のいい人は本質をとらえます。
枝葉ではなく、物事の”幹”となる部分をおさえます。細かいことにとらわれずに、大局的にものごとを把握できます。高い視点をもって俯瞰できるのです。
そして、細部をみることもできます。細かいニュアンスや違いもわかります。具体的な思考も得意です。
このように、頭のいい人は視点を上下できるので、必要に応じて枝葉をみれる一方で、幹を外しません。
頭のいい人は”具体と抽象”を行ったり来たりできます。「細かいこと」と「全体」の間の視点移動が適切にできます。「頭のわるい人」とされてしまうのは、細かいことにこだわったり、雑になりすぎたりして「視点が固定」されている状態です。
④アイデアをたくさん出せる

頭がいい人はアイデアが豊富です。
アイデアは「知識の新しい組み合わせ」です。
頭がいい人は言語化が得意で、知識がネットワーク化されています。すでに知識がつながっている状態なので、少し考えるだけで新しいアイデアを出せます。
そして、「本質をとらえる」人でもあります。”物事の関連性”をみつけるのが得意で、新しい関連性からすばやく本質をとらえます。
アイデアは「新しい組み合わせ」をみつけることです。具体的な方法として、「ブレインストーミング」「KJ法」「シックスハット」「8マス法」などがあります。自分なりの方法を1つでも持っていると、アイデアが出しやすくなります。
⑤判断がはやい

頭のいい人は判断がはやいです。
今おかれている状況把握が的確です。今どういう状況になっていて、どこに問題があるか判断できます。
これは「言うことがわかりやすい」「本質をとらえる」特徴の総合です。状況をわかりやすく整理し、問題の本質を見抜けます。
また、問題解決に向けて行動がとれます。大きな方針を頼りに、動きながら方法論を探していけます。
逆に「判断が遅くなる人」はどういう特徴を持っているのでしょうか?それは要領が悪い人と言えるはずです。その原因は「ゴールがずれているか」と「プロセスがずれているか」のどちらかになります。
⑥次の展開が読める

頭のいい人は次の展開を読める人です。
「判断がはやい人」の中でも、問題解決の方法がわかっている人にあたります。「次の展開が読める」ということは、解決策やゴールが”見えている”ことと同じです。
そして、解決策やゴールがみえるのは「アイデアが出せる」とも言えます。今起きている状況や問題の本質などを判断して、次の一手のアイデアを出せます。そこから「次の展開が読める」のです。
人に与える印象としては「冷静な人」です。周りの人があわてていても、次の展開が読めていて冷静沈着です。対応もわかっているので、たんたんと実行できます。
21世紀に求められるスキルとして、「リーダーシップ」があります。単純に「判断がはやい人」もリーダーになりやすいですが、先が読めていない場合は”ワンマン社長”タイプです。「展開が読める人」は冷静沈着で、”頭脳派”リーダーといえるでしょう。
⑦人間理解が深い

頭のいい人は人間理解力があります。
人の気持ちがわかる人です。感情理解力があり、気持ちの動きに気づいてくれます。そのため、話すだけで楽しくなります。
また、相手の状況をよく理解してくれます。その瞬間の感情だけでなく、その人が抱える事情や深層心理を想像して、柔軟に配慮してくれます。
ルールや減点方式で人を裁いたりしません。その人から何か頼まれたときも、押し付けがましくなく、気持ちよく引き受けられます。
「頭のよさ」といえばIQですが、広い意味ではEQ (Emotional Quotient)も含まれます。EQは「感情理解力」という意味で、人の気持ちが読める力です。今後の社会では、ますます必要となる「頭のよさ」でしょう。
おすすめの本
『「今の説明、わかりやすいね!」と言われるコツ』
(浅田すぐる)
タイトルのとおり(笑)、「わかりやすい説明」について解説されています。著者の実績どおり、非常に具体的なノウハウです。この本を読めば、わかりやすさの本質が「あるシンプルな動作」にあると理解できます。
『大人の語彙力が面白いほど身につく本』(話題の達人倶楽部)
頭の良さは豊富な語彙に支えられていますが、その語彙力を身につけられる本です。例えば、あなたは「逃す」「小人数」「楔形文字」を正しく読めるでしょうか?この本はテーマごとに間違えやすい語句を確認できる”辞書”になっていて、実践的です!
『文脈力こそが知性である』(齋藤孝)
「頭のよさ」について徹底的に解説されています。頭がいい人は「つなげて考え、つなげて話す」のです。蓄えた語彙は、”文脈”をおさえた上でこそ活きてきます。
おわりに
「頭のよさ」について書いてみました。
ぼくも一時期は「どうやったら頭がよくなるのだろう?」と知識やノウハウを探し回っていました。でも、あれこれ試していくと、ある時期から気にならなくなりました。
得意なことは「頭がよく」、苦手なことは「頭がわるい」と思えるようになったのです。
たぶん、「頭の良し悪しは状態である」と腑に落ちたのでしょう。
もし、この記事が理解のキッカケになったら幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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