“努力の天才”は何をしているの? 20時間でスキルアップの極意

努力の天才

「努力の天才」といえば、イチローです。毎日バットを振って何時間も練習している、というイメージですよね。

でも、

イチローのような努力家“の人たちがなぜ一心不乱に努力ができるのか

気になりませんか?

誰でも知ってはいるけれど、説明しにくい「努力についてまとめてみました。そして、以下の3つのキーワードに”秘密”があるとわかりました。

  • プライムスキル
  • リサーチ
  • 分解

少しでも気になった人は、この記事を読んでみてください。

努力家のヒミツがわかるかもしれません!

 独断と偏見ですが、この記事では、努力とはスキル獲得とします!

以下では、その努力=スキル獲得について、たいていのことは20時間で習得できる』(ジョシュ・カウフマン著)をもとに解説していきます

1 プライムスキルという学習の最小単位

1-1 プライムスキルとは何か

自転車のイメージ

プライムスキルとは、「スキル (技能を分解したときの最も重要なスキル」です。

プライム:  根本的な、基礎的な、本質的な (研究社 新英中和辞典)

このプライムスキルを習得することで、あなたも一気にド素人から中級者になれます。

プライムスキルは、例えば、自転車なら中心軸(バランス)をとらえるスキルです。

昔は、自転車の練習は失敗をたくさんして、何日もかけてやっと乗れるものでした。しかし、今の新しい練習方法は大きく変わって、ペダルをはずします

足を使って進むことでバランスをとる練習をして、中心軸の感覚を養います。そして、ペダルをつけて進む練習に移ります。

こうすることで、1時間~2時間程度でほとんどの子どもが自転車にのれるそうです。

プライムスキルに限定することでスキルを効率的に習得できます。

1-2 20時間でスキルを身に付ける

20時間のイメージ

著者のジョシュ・カウフマン氏は、このプライムスキルを身につけるのに必要な時間は、20時間と言います。

カウフマン氏は、自身でも認めるように”学習マニア”です。実際に、

  • ヨガ
  • コンピュータープログラミング
  • ウクレレ
  • ウインドサーフィン

をごく短期間で学習しています!

そして、それは氏が提唱する速習法によって習得したそうです。

TEDのスピーチでは、ウクレレを披露しています。

TED:プレゼンテーションの世界的な大会

もちろんスポーツや特定の技術に限らず、プレゼンやコミュケーション、ライティングなどの日常的なスキル知的なスキルについても同じです。

1-3 超速スキル獲得法

超速のイメージ

カウフマン氏の提唱する超速スキル獲得法とは、①習得したいスキルを分解して、②最も重要なスキルの絞り込みをして、③それだけに限定して練習する、というものです。

つまり、プライムスキルを徹底練習すると、最短20時間でスキルの基本が習得できるのです。

ステップは大きくわけて4つです。

分解]スキルをできるだけ小さな「サブスキル」に分解する

学習]賢く練習できるように、練習中に自己修正できるように、個々のサブスキルについて十分な知識を得る

除去]練習の邪魔になる、物理的、精神的、感情的障害を取り除く

練習]特に重要なサブスキルを少なくとも20時間練習する

出典:『たいていのことは20時間で習得できる

  例えば、自転車にのるスキル。このスキルを分解すると、

  • ハンドルで方向を変える
  • ペダルをこぐ
  • ブレーキをかける
  • バランスをとる

となる。

そして、最新の練習法ではペダルを外すことで、この中の「バランスをとる」スキルに限定する。そうすることで、以前の方法に比べて、はるかに効率的に自転車のスキルを子供たちが習得できるのです。

このように、超速スキル獲得法では、プライムスキルを特定することが極めて重要です。

2 なぜ短時間でスキルが獲得できるのか?

2-1 スキル獲得の3段階モデル

3段のイメージ

そもそもスキルはどのように獲得されるものなのか?

最初は、やることを考えなくてはいけない状態から始まります。そして、小さい失敗を繰り返しながらも、フィードバックによってやり方を修正できる。最終的には、意識しなくても動けるようになる。

これらの段階は、専門家の間では「スキル獲得の3段階モデル」と呼ばれています。

1認知 (初期段階  自分がしようとしているスキルを理解し、調査し、そのプロセスについて考え、対処できる程度のパーツに分解する

連合 (中期段階 スキルを練習し、環境からのフィードバックを受け取り、それにもとづき方法を修正する

自律 (後期段階 アタマで考えず、また必要以上に注意を払わずに、スキルを効果的かつ効率的に実践する

出典:『たいていのことは20時間で習得できる

超速スキル獲得法は、こ1認知段階を徹底する戦略になっています。

とにかく分解して、重要なスキルを限定練習するという”超効率的”な戦略です。

2-2 リサーチが命

検索のイメージ

超速スキル獲得法の土台となるものは、リサーチです。

何事もはじめが肝心ですが、スキル獲得も同じで、認知 (初期段階1番大事です。そのための作業がリサーチです。

リサーチの時間は”20時間”に含まれないようです。

超速スキル獲得法が提唱している20時間は、「練習のための時間」です。事前のリサーチをしっかり行うことが、その後の練習の質を大きく左右してくると予想されます。

では、何をリサーチすればよいのでしょうか?

それは、

  1. 考え方・理念
  2. 基本項目
  3. トレーニング方法

を調査すればいいのです。

①考え方・理念は世界観や文化のようなものです。ここをおさえないと表面的な理解になってしまいます。例えば、新しい職場や部署に異動したときに”暗黙の了解”がわかるどうかの違いです。

そして、得た知識によって、スキルが分解できて、プライムスキルを特定しやすくなります

スタート段階においては、必要な知識が多ければ多いほど有利になるはずです。

練習段階(中期)では、「知識を増やすこと」よりも、「練習からフィードバックを得ること」が重要です。段階に応じて戦略の切り替えが必要です。

2-3 練習の障害をとりのぞく

障害のイメージ

練習の妨げになって、スキル獲得を難しくしてしまう要素はいろいろあります。

  • 練習するまでにひどく手間がかかる]たとえばツールが見当たらない、練習前に正しいツールを準備しておかなかった、必要なセットアップを怠っていた、など。
  • リソースをたまにしか使えない]道具を他人から借りている、レンタル先の営業時間が限られている、など。
  • 気が散るような環境]テレビ、電話やメールの着信音など。
  • 感情的な障害]恐れ、疑問、恥ずかしさなど。

出典:『たいていのことは20時間で習得できる

これらの妨げる要素について、”意思の力”でひたすら頑張るのは得策ではありません。事前に除去することで、練習を始めやすい環境を整えましょう。

環境の整え方のポイントとして、

  1. 重要なツールを手に入れる
  2. 練習時間を確保する
  3. すぐにフィードバックが返ってくる仕組みをつくる
  4. 時計のそばで一気に練習する
  5. 量と速さを重視する

③については、フィードバックをもらうにはコーチについて習うのが1番です。それが難しいなら、検索動画でチェックすることもできます。

⑤については、最終的には質を重視すべきですが、初期段階では量と速さが絶対的です。たとえば、スポーツなら80%程度の正しいフォームでもよいので、量をこなすことです。

また今なら、環境としては、様々なスクールやセミナーが各地で開催されいます。また、オンラインスクールも増えています。余裕があれば、利用してみるのもオススメです。

3 努力の天才になる

3-1 混乱を認識する

混乱を認識すること自体が、理解の一形態である

ヨガ指導者 T.K.V.デシカシャー師

リサーチが終わって練習の段階になると、期待していたよりも自分ができないことにショックをうけるものでしょう。

ただ、この混乱理解と学習のために必要な要素です。

ここから「逃げずに通り抜けられるか」が超速スキル獲得の必須条件です。

「初期のリサーチ内容の少なくとも半分がちんぷんかんぷんでないなら、最大限の速度で学習していないことになる。自分のペースが速すぎるのではないか、ちょっと手加減したほうがよいのではないかと不安になるぐらいがちょうどよい。

 ・・・(中略)・・・

 わけがわからないまま飛び込むのが嫌だ、という気持ちこそ、超速スキル獲得を阻む最大の壁である。」

出典:たいていのことは20時間で習得できる

勉強家のひとは認知段階(初期)のリサーチが得意かもしれませんが、連合段階(中期)=練習が苦手なことも多いでしょう。

その場合は、「混乱の認識」が基本だと知っていれば、その苦手意識がなくなるかもしれません。

そして、混乱も20時間だけとわりきる考え方もオススメです。

3-2 3日坊主にならない

3日坊主のイメージ

3日坊主になってしまうのは何故か?

  1. やり方が間違っている
  2. ハードルが高すぎる
  3. 結果がでるまで時間がかかる。

どれも大事ですが、最大の原因ではありません。

何が1番かというと、それは

忘れること

です。

やり方、ハードル、時間。これらはキッカケに過ぎません。そこから休憩している内に時間が経ち、いつしか忘れてしまう。これが3日坊主の生い立ちです。(笑)

そうなってしまないように、20時間で”忘れない状態”までもっていく。そのためのキーワードが量質転化です。

 「忘れない」とはいっても、知識の記憶とは少し違います。

それは、スキルとして身についている状態です。例えば、記憶を失っても自転車に乗るスキルは残っている状態と同じです。

3-3 量質転化を知る

転化のイメージ

量質転化とは、「量をこなすことで質が変化すること」です。

これは、いいかえると、量質転化がおきてスキルレベルが1段階あがる。もう元に戻らないのです。戻らないなら、”忘れること”はありません。

スキルがあがるのは、学習曲線をのぼりきった状態にあたります。そこが量質転化が起きるポイントになります。

学習曲線の図 

なので、量質転化が起きるまで練習を続ければ、努力が報われるといえるでしょう。1回できるようになったら、時間がたっても”できる状態”が残っているのです。

逆に、量質転化の前に止めてしまうと、”練習する前の状態”に戻ってしまいます。

20時間を量質転化がおこる目安にしてみてください!

 学習曲線の軸にある練習量学習効果

この軸は、けっこう曖昧です。学習対象や「量」/「効果」の定義によっても変わってきます。ぜひ、自分なりの基準をつくってください。

まとめ

イチローは何をやっていたのか?

もちろんプロの領域なので分からないですが、バッティングの新しいサブスキルを微細な感覚で探っていたのではないか。常にイチローのバッティングが進化しているので、そのように思えます。

イチローのマネは難しいですが、できるだけ感覚をつかって、スキルの分解をしていきましょう。

早ければ、20時間ごとにレベルアップしていけるはずです!

努力の天才

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